技術、プログラム該非判定サポート、コンサルティング


忘れられがちな技術、プログラムの該非判定は、国内外の設計、共同開発にあたって必須手続です

 

【1】 技術、プログラムと該非判定 

 輸出管理の考え方に従いますと、デジタル電子計算機として輸出貿易管理令第8項の「電子計算機」で判定するか、通信機能が含まれる場合は9項の「通信機器」で判定します。もっとも、通信装置に内蔵されている場合は、取扱が微妙に異なります。また、仲介貿易は日本国内であっても外為法の規制が及ぶこととなります。このように、輸出する貨物の機能、スペックに着眼して、該非判定を行うことが大切です

 特に、コンピューター、電子システムについては、安全保障と無縁に考えがちな建設技術についても、i-construction の進展により複雑に組み込まれるようになっていますので、輸出管理からフリーな貨物はより少なくなりつつあると思われます。


【2】 規制される技術

 

 該非判定は、目に見える製品に限られず技術(設計図面、仕様書等)、プログラムの海外企業(海外子会社なども含む)とのやりとりにも必要となっています。例えば下記のようなカテゴリーの技術については、それぞれの技術の固有のスペックの確認が必要となるために、慎重な判断が必要です。

「 専用/汎用集積回路」

 民生用途では半導体は白物家電を始め、様々な産業用途に利用されています。 また、一方で、耐放射線、真空用途などの高性能に適した半導体は軍事用途にも使用されます。暗号プラグラムが書き込まれている場合は、装置全体が暗号装置となる場合もあるために注意が必要と考えられます。


「 通信、暗号技術 」

 民生用途では、PCの個人情報保護機能、ゲーム用プログラムから銀行決済にいたるまで暗号技術は幅広く利用されています。また、通信については、LAN接続からWiFi接続など、今日では欠かすことできないアイテムとなっています。一方で、一定レベルのアルゴリズムや鍵長のプログラムで情報システムのセキュリティ管理機能を有する装置などは軍事転用のリスクより規制対象となるなど、民生用途のみで判断することが困難となっています。

 弊所では米国製の暗号装置(5A002など)に関する判定支援の経験より、これらの通信、暗号機能については単独製品の輸出ではなく他の装置等と複合して輸出対象となるため、適切な管理が必要と考えております。


<参考情報>

 外為法では 貴金属、支払手段及び証券その他債権を化体する証書以外の動産をいう」(運用通達)に定義されており、海外へ貨物を輸出する場合は、原則として全ての貨物が該非判定が必要となる構成となっています。そのため、測定器、機械部品などといった貨物も含まれます。もっとも、食料品や材木品といった、外為法令上規制対象貨物から除外するとされている貨物は除かれることとなっています。 

 この貨物の中で、下記の表の輸出貿易管理令(下表では、「輸出令」と記載)に該当する貨物は、貨物の用途、需要者の要件に関わらず、貨物の機能及びスペックの客観的な視点より輸出許可が必要とされています。実務的には、輸出貿易管理令に該当するかどうかは、さらに詳細スペックを貨物等省令で個別に判断していく必要があります。


法令 項 目 規制貨物の具体例 規制理由
輸出令第1項  武器 銃砲などの銃砲弾、指向性エネルギー兵器、装輪式又は装軌式の軍用ロボット、催涙弾

防衛装備移転三原則

 

輸出令第2項 原子力 人造黒鉛、工作機械、ロボット若しくはエンドエフェクター 大量破壊兵器転用規制
輸出令第3項 化学兵器 軍用の化学製剤と同等の毒性を有する物質
輸出令第3の2項 生物兵器 軍用の細菌製剤の原料として用いられる生物、毒素など
輸出令第4項 ミサイル 無人航空機又はその製造用の装置、しごきスピニング加工機
輸出令第5項 先端素材 芳香族ポリイミドの製品、ニッケル合金、チタン合金、金属性磁性材料 通常兵器転用規制
輸出令第6項 材料加工 軸受又はその部分品、数値制御を行うことができる工作機械
輸出令第7項 エレクトロニクス 耐放射線能力のある集積回路、マイクロ波用機器若しくはその部分品
輸出令第8項 電子計算機 耐放射線能力、高い演算能力のある電子計算機若しくはその附属装置
輸出令第9項 通信 伝送通信装置、通信用の光ファイバー、フェーズドアレーアンテナ
輸出令第10項 センサー 水中探知装置、光検出器又はその部分品、レーザー発振器
輸出令第11項 航法装置 直線加速度計、ジャイロスコープ若しくは角速度センサー、慣性航法装置
輸出令第12項 海洋関連 潜水艇の部分品又は附属装置、水中用のカメラ又はその附属装置、水中用ロボット
輸出令第13項 推進装置 ガスタービンエンジン、人工衛星、固体ロケット推進装置
輸出令第14項 その他 航空機で輸送することができるように特に設計した土木機械又はその部分品
輸出令第15項 機微品目 電波の吸収材、宇宙用に設計した固体の光検出器、音波探知機

【3】 技術、プログラムの該非判定サポート

 

 ファインテックでは、輸出企業、海外の貨物を取り扱い商社等の皆様が行う該非確認の手続を漏れのないリーガルチェックを行うことにより、難解な技術、プログラムに対する該非判定作業のフォロー、法的サポートを行います。同時に、該非判定書作成に関する法務相談を承ります。

  詳しくは、下記の業務フローをご参照ください。

 

 ※判定後の輸出許可申請については、こちらの 輸出許可申請代行・手続サポート をご覧ください。

 【5】 海外企業・大学との共同研究開発の該非判定サポート

 弊所では大学、企業の研究活動における技術移転の輸出管理に重点的に取り組んでおります。 

 些細なことでもご回答させていただきます。

 

 前任者が海外へ赴任した、外国へ技術情報(図面など)を持ち出す必要がある・・この場合に、外為法は適用されますか?貨物の輸出に比べて、技術の移転については視覚的に確認が難しいながら、技術/プログラム流出に関する刑事捜査事例もあります。米国では、かつてテネシー大学のプラズマ研究の権威の教授が、輸出管理違反(ITAR)を問われて4年の禁固刑を科せられているなど、技術取引への規制は強まりつつあるのが現状です。具体的なサポートの流れは、前項と同様のフローとなります。

 


【6】 参考資料 

 

 該非確認については、経済産業省HPにおいて最新の改正版のデータが閲覧できます。 

 http://www.meti.go.jp/policy/anpo/matrix_intro.html

(経済産業省 安全保障貿易管理 貨物・技術マトリックス表)